セルカラーはお手軽に手に入り、安価で自分のタイミングで使用でき便利です。ただセルフカラーに潜む色々な問題があるわけで一筋縄ではいかないんですよね…(;^_^A
髪へのダメージ
気になることはセルフカラーをすることで髪への負担がどれくらいかかるのか?髪の状態によっても違いがあるしなかなか数字化することは難しいのですが、髪への負担をかけているアルカリ剤について少し触れてみます。
アンモニアをはじめ、モノエタノールアミンやジエタノールアミン・炭酸アンモニウム・炭酸水素ナトリウム・アルギニンなどアルカリ剤には色々あり特徴もそれぞれです。
アルカリ剤名 | pH値の目安 | 頭皮への刺激 | 髪への影響(ダメージ) | 特徴・備考 |
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アンモニア(水酸化アンモニウム) | 9.0〜11.0 | やや強い | 強め | 高い反応性・発色良好。揮発性あり、ニオイが強い。 |
モノエタノールアミン(MEA) | 9.0〜10.5 | 中〜弱め | 中程度 | 揮発しにくくニオイ控えめ。持続・安定しやすい。 |
ジエタノールアミン(DEA) | 9.5〜10.5 | 弱め | 弱め〜中 | 髪への負担は少なめだが、発色力や反応性は控えめ。持続する。 |
炭酸アンモニウム(アンモニウムバイカーボネート) | 8.0〜9.5 | 弱め | 弱め | 反応は穏やかで低刺激。 |
アルギニン・炭酸水素ナトリウム(重曹) | 8.0〜8.5 | 非常に弱い | 非常に弱い | 弱アルカリ。植物性カラーや自然派カラーの補助成分として使用。 |
上記の表はあくまで目安んだけど、表だけを見るとアンモニアを使っていないものを使用すればいいんじゃないのか?と思いますよね⁉確かに刺激強めなアンモニアではありますが、頭皮に付かないように塗布すれば刺激はほとんど感じずまた、揮発性なため髪内部で残ることが少ないです。頭皮の刺激は匂いが穏やかである〇〇アミンと表示されているもののほとんどが持続し髪内部で残留することが多いため、アルカリ残留物が髪内部で活動するわけです。ここ重要‼‼結果髪の体力を削るアルカリ剤がしつこく残るということは、その分髪への負担もかかり、セルフカラー剤の多くに配合してあります。
色ムラとダメージムラ
自分で染めるということは後ろは死角になるため、なかなか均一には染めることは困難で色ムラになりやすい状況です。また、染めたい部分をピンポイントでアプローチかけることもなかなかハードル高いことにななると思うので、色ムラももちろん、薬剤が触れた回数が様々になりダメージムラになる原因も作ることになってしまいます。
セルフカラーへの施術
そんなセルフカラーの現状があるわけで。。。
あるゲストさんお久しぶりにご来店くださいました。近頃は白い悪魔(白髪)が気になってきたそうでカラーの頻度が以前より上がっているとのこと…(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン
他者からというよりは自分がすごく気になるやつですよね⁉
ゲストさん遠方ということもあって、セルフカラーをされているとのこと。お話を聞いていくと頻度は2週間に一度‼‼結構高頻度でセルカラーやっている様子なのでそれなりの髪の現状なわけで…(汗)
髪を触らさせていただくとわかるんだけど、ガシガシゴワゴワした質感。クセの種類はうねりというよりかは捻じれがあり、全体にエイジング毛が混在している状況…見た目以上に質感も広がりもあります(汗)

くせ毛の特徴でもあり経年変化でのエイジング毛の影響で水分量も少ないんだけど、プラスアルファ―カラー剤によるインナー脂質の欠落が質感低下を加速している様子がわかるんだよね…特に顔回りの生え際やいつも分けているであろう分け目部分は、白髪を隠したい一心ということもあり、薬剤量もしっかりのせている感じも予想できるしね⁉
また死角になる後ろ部分は染まっているところとそうでないところが混在するため、色ムラ=ダメージのムラも激しい状態です…

ゲストさんは広がりが気になるということで縮毛矯正を希望ですが、現状のダメージむらを考えるとアプローチはなかなかハードルが上がるもの。。。
薬剤は新生部分とダメージ中・ダメージ大と薬剤選定しそれらを塗分けます。最近の薬剤は幅広くなりその上、ひと昔と比べるととても優秀です。ただ過信し使い方を誤ると自分がゲストさんの髪のダメージをさらに加速させる最悪な事態になりかねない…その辺りは現状の髪の状態を見極め、薬剤選定は慎重で気は抜けません。あと目視での塗り分けることもリスクヘッジになりますね。
三種の薬剤を素早く塗り分け、じっくり時間をおいていきます。きわどい施術や塗分けが複雑なケースは、ジャストな薬剤パワーではなく少し減力したものをセレクトし、時間でコントロールするようにしています。この辺りは担当する美容師さんによって違いがありますね。
時間来たら流して中間処理。インナー脂質補充・アルキル化ケラチンで疎水変換し、内側外側を保護。ポリイオンコンプレックスさせアイロンの熱処理前の準備を行います。
ドライしアイロン施術です。アイロン温度にも気を配りこちらもじっくりと熱置きし、酸化処理の仕上げです。

エイジング毛の特徴であった毛羽立ちもしっかりと整い、とても柔らかい質感になりました(^^)/
色ムラダメージの高低差が激しかった内側も問題なくアプローチすることができました☆

ゲストさんにも喜んでいただけました☆
お手軽にセルフでカラーできてしまうけど、薬は薬なのでカラーの回数分髪への負担はしっかりかかります。CTやレントゲンがあるわけでもないし、髪の内部の状況(ダメージレベル)を確実な数字化できるわけでもないです。ダメージの不透明さが多ければ多いほど、次にやろうとする薬剤を用いた施術の仕上がりに影響がでてきますから、セルカラーをしている方には一度、見直しすることをお勧めします。
参考までに…
RED.NOSE
TEL052-851-9052